或いはヨメさんとの不毛な戦いの記録
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6月14日、ついにリリースされてしまった、伝説のゲーム『DUKE NUKEM FOREVER』(以下DNF)。
当ブログでも何度となくネタとして扱わせていただいたが、正直、本当にリリースされる日がくるとは思わなかった。
このゲームの開発が最初にアナウンスされたのが確か1998年頃だったと思うから、およそ足かけ13年の計算になる。
その間もゲームエンジンが途中でビルドからQUAKE2、UNREALへと変更され、更にカスタマイズを加えてほぼ独自のものへと変化している。
また、開発元である3D REALMS社の資金繰り悪化による閉鎖だの、ACTIVISION社の訴訟だの、問題だらけだったようだ。
…果たしてホントに完成させる気があったのかと。
まぁ、もともと3D REALMS社はこだわりのせいか製品開発が遅く、前作の『DUKE NUKEM 3D』(以下DN3D)にしても、DOOMの影響を受けて制作が開始されたものの、実際に発売された頃には時代はすでに遥か先を行っており、オブジェクトが全てポリゴンで描写された『QUAKE』とほぼ同じ頃、つまり時代遅れだった。
さて、DNFがいよいよ発売間近になった頃、予約したショップさんからsteamによる認証の後にインストールができないトラブルが生じたと連絡が入る。
「キャンセルしますか?」との問い合わせだったが、なんせ、PC版は日本での発売が未定であるため、とりあえず予定通り購入することに。
結局のところ、発売日と同時にロック解除されることになっていたらしいが、どこまでお騒がせなゲームなのか。
で、早速だが到着早々シングル用キャンペーンをプレイしてみた。
《ストーリー》
ゲームはDN3Dの後のお話。前回のエイリアンの襲撃から地球を守った事によりデュークは国民的英雄としてハンバーガー・ショップやストリップ・バーなどを起業し、ヒマラヤには登る、月には行く、カジノでボロ設けする、UFCで優勝する、サメは釣るなど自由気ままに暮らしていた。
しかし、ある日、突如としてエイリアンの巨大宇宙船が再襲来、ハンバーガーショップ「DUKES BURGER」を占拠してしまう。
緊急の呼び出しを受けてデューク・ケイブ(バットマンにおけるバット・ケイブみたいな秘密基地)に到着すると、大統領からは「和平交渉をするから手出し禁止」の命令を受ける。しかしデュークは一連の騒動にイヤな予感を覚えていた。そして案の定、エイリアンの魔手がデュークとベイブ(美女)達に迫るのだった。
《システム》
ゲームのシステムは今風に改められており、昨今主流となっている、一定時間ダメージを受けないとヘルスインジゲーターが自動的に回復するタイプ。
面白いのはヘルスに該当するステータスはエゴ(エゴイズム)と呼ばれており、鏡を見たり、ウェイトトレーニングをしたり、ファンにサインをすると上限値が上がる仕組みになっている(それぞれ1回だけのイベント。)
セーブはオートで、攻略したステージは何度でもプレイできるが、プレイする都度上書きされる仕組み。セーブ用のスロットは用意されておらず、プレイを再開すると強制的にチェックポイントに戻される。
《武器》
武器は、ピストル、ショットガン、チェーンガン、ロケット・ランチャー等に加え、お馴染みのシュリンク・レイ(縮小光線)や、フリーズ・スロワー(冷気放射機)も登場。
また、パイプ・ボンブや、レザートリップ・ボンブなどの爆弾系もある。
武器は2つしか持つことができず(爆弾系は除く)、それぞれ敵によって有効な武器が異なるので、いい加減な選び方をすると後で後悔することになる。
大抵は必要な武器はステージのどこかに用意されているので、怪しいと感じたら拾って置くことを推奨する。
なお、武器は全て水中でも普通に使えるようになっている。
また、厳密には武器とは言えないが、DN3Dに登場したジェットパックは、今回はマルチにのみに登場。
《ビーグル》
今回のゲームではビーグル(車両)の運転が可能。
バギーやランド・クルーザー、フォークリフト等、様々な車種が登場する。また、タレット(砲台)を用いた射撃ステージも用意されている。
《敵キャラ》
敵は前作DNFと同種のエイリアンで、グラントやエンフォーサー、ピッグ・コップ等のザコキャラや、ウォーロード等の中ボスなどお馴染みの面々だが、グラフィックが格段に向上しているため、グロさが倍増している。
開発初期、中期頃に公開されたスクリーン・ショットに登場した新型エイリアンは登場しない。
また要所要所に新しいボス・キャラも登場する。
《その他》
このゲームのウリである下品な表現は健在。
デュークは相変わらず品のないスラングを吐き、トイレではオシッコをするし、ビールを飲むと酔っ払ってゲップする。ビールは最大6本持ち運びできて、ここぞという場面で飲むとタフになるが、視点が定まらなくなる弊害を持つ。同様に短時間のパワーアップアイテムとしてステロイドもある。
残酷表現は今時のゲームに比較して、さほどで過剰でもないが、敢えてレート18の規制を受けたのは、むしろ下ネタのせいかと。
決してお上品なゲームとは言えないので、予め覚悟が必要…というか、コレ、コンシューマ機で発売して大丈夫なのか?
《総評》
海外のレビューサイトの評価は低いが、個人的は面白いと感じたし、終始楽しくプレイできた。
ただし、10年以上前に開発が始まったゲームなのだから、当然ゲームの造り自体が古臭くなっており、今時のストーリー重視のハイテンポなゲームに比べると展開が遅く、かなり野暮ったく感じるのもまた事実。
ところどころ今風のゲームのシステムは取り入れており、物理演算を使用したパズルもあるし、キー連打によるフィニッシュも採用されてるあたりは、なるほど、ゲーム完成を託されたギアボックス・ソフトウェアの手際の良さに関心させられるが、取って着けた感は拭えない。
しかし、このゲームはお蔵出し、つまり本来は“お蔵入り”になるハズであったゲームをムリヤリ白日の下に引っ張り出したものである。
13年間の開発期間の途中で、当然時代遅れのゲームになっていたにも関わらず、結局のところ開発元が完成まで漕ぎ着かなかった最大の理由は、大ヒットした人気タイトルのネームバリューで、開発費と称した運営費を確保し続けるという思惑も少なからずあったのではないだろうか。
このゲームは、数多あるキャンセル作品同様、伝説のまま闇に葬られるべきだったのかもしれない。しかし、酷評を覚悟の上で、敢えてリリースさせた2Kゲームズの功績は称えるべきであろう。
購入する側としては、それを踏まえた上で、アニバーサリー的な位置づけのゲームとして楽しむのが一番妥当なのかも知れない。
この13年の歳月の中で、いちファンとして唯一画期的な進化を遂げたと感動したのが、オネエちゃんのムネの表現だけ、というのは、いくらなんでもやはり問題があると思うがいかがだろうか。
ファンサービスとしては全然OKなのだが。
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