23.08.03 MATTEL MEGA CONSTRUX MASTERS OF THE UNIVERSE / BATTLE FOR ETERNIA COLLECTION II : WUN-DAR

本日は前回、前々回に引き続き、米マテル社、メガコンストラックス、マスターズ・オブ・ザ・ユニバース、バトル・フォー・エターニアコレクションⅡから、ワンダー（サベッジ・ヒーマン）をご紹介。

ご覧の通り、以前拙ブログでも紹介しているゾダックのアクセサリーを流用したヒーマンのリカラーなのでフィギュアそのものはあまり面白味はないのだが、オリジナルとなったフィギュアに纏わるエピソードがちょっと興味深い。



キャラクターの設定は以下の通り。

アダム王子が生まれる百年前、未開の地下都市タンダリアの奥深くから来た戦士ワンダーは、ある時、若い女性を窮地から救い出した。
彼が助けた女性の正体はエターニアの女神ゴッデスであり、彼に見返りとして宇宙戦闘用のアーマーとほぼ無制限に撃てる高性能なビームガンを与え、代わりに宇宙を統べる力を持つ一対の魔法の剣を守り、悪から遠ざけるように命じる。
こうして、それまでの数多の戦士達同様にワンダーは「ザ・ヒーマン」として知られるようになり、長い間忘れ去られ、隠蔽されていたグレイスカル城の偉大な力（グレート・パワー）が悪の手に落ちるのを防ぐため、蛮勇を振るって悪と戦うことになったのである。



このワンダーのオリジナルフィギュアは、とあるプロモーション・キャンペーンで配布された名前の無い限定品だったのだが、マテルの説明不足もあってファンの間ではかなり長い間、ワンダー・ブレッド社というスライスパンを製造販売する会社とのコラボ商品だと信じられていた。



真偽の程は定かではないが、郵送で購入したパンの受取証をマテルに送ると（恐らくは抽選で）マテル社からオリジナルフィギュアがプレゼントされるという、パンの新たな販売経路を開拓するためのプロモーションだったという説である。



「そんな効率の悪い宣伝方法があってたまるか！」と今でこそ一笑に伏されてしまいそうなものなのだが、社会現象とさえいえる当時の人気を考えると、もしかしたら……と思えてしまうあたりが空恐ろしかったりする。



近年、マテルで新たにクラシック・スタイルのリメイクフィギュアがシリーズ展開されるにあたって、オリジナルフィギュアに関する研究も進み、実はその説が単なるデマであった事が判明している。



ところがマテルはとても大手とは思えない茶目っ気を発揮し、同フィギュアをリメイクする際、このキャラクターにワンダー（スペルは異なるが同音）という名を与え、更にパンのアクセサリー（なぜかスライスパンではない）を付属させたり、見えない場所にワンダー・ブレッド社のロゴマークを配するなど“ワンダー・ブレッドプロモーション説”に対するオマージュ（と言うかむしろ楽屋オチのパロディ）としている。



さて、フィギュアに関しては冒頭でも述べた通りゾダックのアクセサリーを流用したヒーマンのリカラー。
オリジナルのフィギュアはプロモーション・キャンペーンで配布するにあたって、配色を変えた素体に余ったアクセサリーを付属させただけなのではないかと推測。マテルならやりかねない。

プロポーション及び造型はそのまんまなので特にコメントなし。



カラーリング及びペイントも特に思うところはない。



可動についても、従来のメガコンに同じ。
レビューとは？



アクセサリーとして黒い剣とレーザーガン、同色の宇宙戦闘用のアーマーが付属。
野蛮なヒーマンを謳っている割にはやけに近代的な装備なのはさておき、



なんと、トースターまで付いている。
最初はとんと意味が解らなかったが、前述のエピソードを知って納得。



ヒーマン（アダム王子）と。
オリジナル・フィギュアは今でこそコレクターの間では高値がついているものの、あまりにも配色が地味過ぎて当時の子ども達には不人気だったとか。さもありなん。



ゾダックと。
アーマーは色違いだが同じ形状。



ゴッデスと。

それにしても、ハズブロにしろマテルにしろ、力を入れるところを間違えているような気がしてならないのだが。