或いはヨメさんとの不毛な戦いの記録
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竹書房映画文庫によるアベンジャーズのノベライズ。
当たり前の話だが、映画のノベライズは、あくまでも映画を小説化したものであり、原作ではない。これは見落としがちだが意外と重要なポイントで、ここをうっかり間違えて購入すると結構痛い目に遭うので注意が必要。
個人的にノベライズ小説は、映画で語りきれなかった細部を、ある程度補完するためのもの、副読本的なものとして捉えている。
映画本編以外に補完資料が必要となる時点で、映画作品としては不十分なのかもしれないが、やはり視覚だけでは全てを伝えることに限界があり、観客の感性も千差万別なので、十分に伝えることができなかった所が、こうした別の形でフォローされるのは映画の内容をよく知ることができるという意味でも実はファンとしても有り難いことだと思う。
さて、本書はまず短い章立てにより、キャプテン・アメリカ、アイアンマン、ハルク、ソーといった個々のヒーロー達が誕生した背景をざっと紹介する形で始まり、一連の映画作品を観ていなかったり観たけれども内容を忘れてしまった読者に対して配慮した構成となっている。
弱冠、齟齬があったりなかったりするが、無視していいレベル。
ストーリー自体はそれこそただ単に映画のストーリーをなぞっているだけなので、省略や簡略が多く、当然この小説を読んだだけではスクリーンの迫力や映画の面白さはほとんど伝わらない。
ただし、やはり設定に関してちょっとしたフォローがあり、映画を観ただけでは“なんで?”と感じた疑問点や、つい見落としていた裏事情が判明する。
例えば、ロキの使用した杖の由来(元の所有者はチタウリではない)とか、変身したハルクがブラック・ウィドウに襲いかかった理由など枚挙に暇がないが、映画と本書での差異(シーンやセリフの順序が入れ替えられた部分等)を比較すると、より一層その意図するところが明確になる。
なるほど、あのカットは、実はこのことを伝えたかったのか、と目からウロコがポロリとすることもある…かも?
繰り返すが、単体小説として読むにはほとんど面白くない(失礼!)本であるが、映画を観賞後、腑に落ちない部分を感じた方には是非一読をオススメしたい。
もちろん、全ての謎が明かされるわけではないのだが、再度映画を観賞する機会があればまた違った観方ができるのではないだろうか。
巻末の解説には、マーベル映画の続編情報もチラホラ載っているのが見逃せない。
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