或いはヨメさんとの不毛な戦いの記録
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マイケル・J・バセット監督・脚本、ジェームズ・ピュアフォイ主演のダーク・ファンタジー映画『ソロモン・ケーン』。
欧米では2009年公開されたが、日本では未公開。
以前から観たい観たいと思っていたのだが、このほどやっとDVD化されたとの情報を得たため、近隣のDVDショップを探し回って、購入、視聴した次第。
日本未公開の作品なら星の数ほどあるが、何を今更かと言うと、実はコレ、あのロバート・E・ハワードが原作。
ハワードと言えば、伝説のパルプ・マガジン「ウィアード・テールズ」誌で名を馳せた、『コナン・ザ・バーバリアン』の作者。
そのハワードの初期の連作の主人公がこのソロモン・ケーンである。
(管理人はソロモン・ケインと記憶していたが。)
血沸き、肉躍り、内臓ぶちまけるあの蛮人コナンと同じ作者の作品が面白くないわけないだろう。
しかし、ソロモン・ケーンの登場する作品は、日本語に翻訳される機会が少なく、コナンに比べて知名度が低いのもまた事実。
斯く言う管理人も、実は一度として原作を読んだことがない。
ハワードの作品を紹介した記事や単行本のあとがき等から聞きかじったハンパな知識によれば、原作ではソロモンは、16~17世紀にかけて、様々な形で人間世界に蔓延(はびこ)る悪魔を倒すため、終わりなき旅を続ける清教徒(の戦士)という設定で登場。
青白い顔、冷たい眼を鍔広の帽子で隠し、常に黒い服装で、レイピア(長剣)とマンゴーシュ(短剣)、そして2挺のフリントロック(火打石)式拳銃で武装している。
また、直接的に悪魔に対抗できる武器として、アフリカの祈祷師、ン・ロンガから贈られたジュジュの杖を持つ。
ちなみにジュジュ(Juju)とは西アフリカ地方に伝わる精霊のことだそうだ。
その姿は一見してまるで、「ヴァン・ヘルシング」のようだが、逆にハワードのファンの間では、ヴァン・ヘルシングを観て、「あれ、ソロモン・ケーンのパクリじゃね?」との指摘があったとか。
それにしても狙ったかどうかは不明だが、ソロモンを演じるピュアフォイも雰囲気がヒュー・ジャックマンに似ているため、更に紛らわしさに拍車がかかっているのは間違いないだろう。
実はこの映画の企画自体は、10年前から立ちあがっており、その時はクリストファー・ランバートがソロモン役の候補だったらしい。
映画ではソロモンのオリジンが大きく変更されており(というかリビルド?)、イギリスのとある国王の次男として生まれたが、父親である国王の命令で修道士にされそうになったため、反抗して後先考えずに家を飛びだしてしまう(その時に誤って兄を殺している)。
その後の経歴は不明だが、長じてからはエリザベスⅠ世の傭兵として北アフリカで欲しいままに略奪行為を繰り返す残虐非道、冷酷無比な悪魔のような男に成長していた。
しかし、とある島で略奪行為の最中に、ホンモノの悪魔(の手下)に出くわしてしまい、その堕落しきった魂の所有権を主張される。
「そんだけ好き勝手やったんだから、アンタ、もう生きたまま地獄行くしかねぇよ」みたいな感じか?
間一髪で逃げ出したソロモンだが、恐怖のあまり、その後は悪魔から身を隠すために全ての財産を寄付して教会に身を寄せ、己の行いを悔い改めながら敬虔なクリスチャンとしての生活を送る(でも数か月だけ)。
しかし、ある日、ソロモンを匿っていた牧師が夢のお告げによって彼を修道院から追放し、ソロモンは巡礼者として宛てのない旅に出ることとなる。
しかも、呪われた魂によって、以前のように暴力行為を働けば、たちどころに悪魔に知られてしまうため、揉め事からは身を遠ざけなくてはならない。その気になれば瞬殺できる雑魚から身を守ることすら赦されないのだ。
だが、悪魔の手先によって張り巡らされた巧妙な罠によって、ソロモンは再び自らの意思で剣を手にとらざるを得ない運命に追い込まれるのであった…果たしてソロモンの呪われた魂は救いをえることができるのだろうか…というストーリー。
全体にキリスト教徒対悪魔の構図で、主人公の贖罪がテーマとなっている。
日本人にとってはあまり馴染みがないが、剣と火薬と魔術の混在する暗黒時代というのはなかなか新鮮ではないだろうか。
実はこの映画、3部作の予定で、続編にはソロモンの数少ない仲間の一人であるアフリカ系黒人のシャーマン、ン・ロンガも登場の予定であるらしい…ということは、今回出てこなかった“ジュジュの杖”も出てくるのだろうか。
ちなみに、ソロモン・ケーンはダーク・ホース社からコミックが出版されており、近年の新シリーズでは、ヘルボーイで有名なあのマイク・ミニョーラが表紙を手掛けたりしている。
アマゾンを通せば過去の作品も購入できるので、小説よりは絵が描いてあるだけまだ読めるかも…と思われるツワモノは挑戦してみるといいかもしれない。
映画視聴後の感想は、思いのほか良かったという感じ。
原作は未読なので、そちらの方はよくわからないが、心を入れ替えた異端のダーク・ヒーローという設定もカッコいいし、オリジンを含むストーリーもよく練り込まれている。(多少御都合主義だが。)
確か、原作ファンのウケも良かったと聴いている。
日本ではなぜか劇場公開されなかったが、もし予定通り3作まで制作されるなら、是非続編を見たいものである。
…ついでに原作も翻訳してくれないものだろうか。
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Re:いい!
BLISTERさん、こんばんは。
>自分もソロモン・ケーン好きですね♪
おおっ!同志ですねっ!(笑
>なかば諦め気味に時を待ちましたが…かなり遅れて同国内に参上した
>次第の同作は本当に続編(後2部作)は出るんすかね?
私も半ば諦めてましたが、偶然DVDを見つけて狂喜乱舞です。
1作目がどれだけヒットしたかはわかりませんが、、大コケでなければ次回
作も期待したいところですね。
今のところ続編製作の話は聞こえてきていませんが、決して悪い映画では
なかったと思います。
世間一般にウケるかどうかはまた別の話ですけど…(死
>自分もソロモン・ケーン好きですね♪
おおっ!同志ですねっ!(笑
>なかば諦め気味に時を待ちましたが…かなり遅れて同国内に参上した
>次第の同作は本当に続編(後2部作)は出るんすかね?
私も半ば諦めてましたが、偶然DVDを見つけて狂喜乱舞です。
1作目がどれだけヒットしたかはわかりませんが、、大コケでなければ次回
作も期待したいところですね。
今のところ続編製作の話は聞こえてきていませんが、決して悪い映画では
なかったと思います。
世間一般にウケるかどうかはまた別の話ですけど…(死