16.07.30 RAY HARRYHAUSEN DVD LIBRARY LIMITED BOX Ⅲ : KALI

タロスやれやッ(＃｀皿´)！！

…という、けいたさん…は、さておき、本日はソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント社のレイ・ハリーハウゼン　DVDライブラリー　限定ボックスセット３に同梱されたオリジナルフィギュア、カーリーをご紹介。

画像曲がってるし、中、写ってねぇし。

カーリー は、バラモン・ヒンドゥー教系のインド神話に登場する血と酒と殺戮を好む戦いの女神。
最高神のひとりにして、破壊の神でもあるシヴァの妻、パールヴァティーの憤怒の面を現す化身とも言われている。
その名は「黒き者」または「近づきがたき者」を意味し、全身黒色で、3つの目と4本の腕を持ち、牙を剥き出し、長い舌を垂らしている。
髑髏もしくは生首を繋げた首飾りに、切り取った手足で腰の周りを飾る姿で表される。



神話によると、女神ドゥルガーがシュムバ、ニシュムバという兄弟のアスラ族と戦ったとき、怒りによって黒く染まった女神の額から出現し、アスラ族を殺戮したとされる。

アスラ族のラクタヴィージャは自分から流れ出た血から自分の分身を作って戦ったが、カーリーはラクタヴィージャの流血のみならず、その血液すべてを吸い尽くして倒した。

そればかりか勝利に酔ったカーリーが踊り始めると、あまりの激しさに大地が粉々に砕けそうだったので、仕方なくシヴァ神がその足元に横たわり、衝撃を弱めなければならなかったらしい。

つまり、この世で一番怖くて強いのは嫁。



カーリーは南インドを中心とする土着の神の性質が習合してできたもので、殺戮と破壊の象徴であるとされている。
インド全域で信仰されている比較的ポピュラーな神なのだが、ベンガル地方での信仰が特に篤く、現在でもコルカタにあるカーリーガート寺院では毎朝、山羊による生贄が捧げられている。



また、インドにおいて19世紀半ばまで存在していた“サッグ団”はカーリーを信奉し、殺人を教義としていた秘密結社である。

サッグ団は別名、タギーとも呼ばれ、カーリーへの供物として、全ての信者に毎年1人以上の殺人が義務付けられていた。
タギーの教義では、血はカーリーに捧げるものとして流血を禁じていたため、殺害の方法は絞殺のみに限られていた。

特に黄色いスカーフでの絞殺を得意とし、その理由はカーリーがアスラのラクタヴィージャを倒す際、2人の人間にスカートの切れ端を与え、ラクタビージャの首を絞めさせたという神話に由来するらしい。また、凶器がスカーフだと犯罪が露呈しにくいという利点もあった。



タギーは裕福な旅人や旅の商人を狙い、仲間が気を逸らせている間に音もなく殺して荷物を奪った。
こうして蓄えられた富の一部は、その土地の有力者に送ることで組織の安全を図っていた。

タギーが歴史上の記録に現れる1550年から、植民地政府の役人であり、軍人でもあったウィリアム・ヘンリー・スリーマンのタギー撲滅運動によって組織が壊滅させれる1853年までの間に、少なくとも200万人が殺害されたと推測されている。



さて、いつになく血なまぐさい記事になってしまったが、フィギュアに関しては、比較的よくできている。

前回紹介したドラゴン同様、エクスプラス社製のカーリーには様々な種類があり、大きさもデキもマチマチなのだが、結局３.７５インチに見合った大きさということで、散々迷った挙句、このフィギュアの購入を決定。
ちなみにこのカーリーのフィギュアが同梱されている（その逆ではない）DVD４本のうち２本はすでに所持していたりする。



プロポーション及び造形に関しては、やや頭が大きく脚が短いような気もするが、概ね良好。
カラーリング及びペイントも特に問題なし。ものによっては青みが強いものも存在するらしい。
可動に関しては、首、それぞれの腕の上腕部、腰のみ。剣は刃の部分を差し込む形になっているが、差込部が細いので折れそうでちょっと恐い。バランスが悪いせいか自立は困難で台座は必須。



カーリーと言えば、『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』に登場したサギー団。
モデルは前述のタギーであることは言うまでもない。



色々と残念だったが、あの映画で一番残念だったのは、カーリー像が動かなかった点か。



やはり、個人的にはカーリーはこの大きさが一番しっくりくると思う。