16.09.18 X-PLUS RAY HARRYHAUSEN FILM LIBRARY : TOWER RECORD EXCLUSIVE THE 7TH VOYAGE SIMBAD CYCLOPS

ミュータント・リーダーやれやっ！(・ε・｀ )

…という、けいたさんのサイバーテロめいた脅迫に屈し、本日は、Ｘ-ＰＬＵＳ社のレイ・ハリーハウゼン　フィルムライブラリー、タワーレコード限定版サイクロプスをご紹介。

サイクロプスと言えば、言わずと知れたマーベル・コミックに登場するミュータントのヒーローチーム、Ｘ-MENのリーダー…じゃねぇな、コレ。

そのスコット・サマーズのコードネームの由来ともなったサイクロプスはギリシア神話に登場する単眼（ひとつめ）の巨人であり、卓越した鍛冶技術を持つ下級神族。またはこれをベースとした伝説の怪物を指す。
サイクロプス（もしくはキュプロークス）は古代ギリシャ語で“丸い目”を意味し、その名の示す如く額の真ん中に丸い眼がひとつだけ付いていることに由来する。



天空神ウラノスと大地母神ガイアの息子たちで、アルゲス 、ステロペス、ブロンテスの三兄弟がおり、いずれもその名は雷に関連することから雷の精だったのではないかといわれている。

醜い容姿のせいか、父ウラノスに嫌われ、兄弟であるヘカトンケイル族とともに奈落タルタロスへと追放された。
弟族のティターン神の一柱クロノスが政権を握った後も久しく拘禁され続けたままであったが、ゼウスらが反乱を起こした際に彼らによって解放された。



解放されたサイクロプス達はその返礼として、ゼウスには雷を、ポセイドンには三叉の銛を、ハデスには被った者の姿を隠す隠れ兜を贈ったとされている。

以後は鍛冶の神ヘパイストスのもとで鍛冶を続けたといわれるが、その一方で、ゼウスの稲妻で息子アスクレピオスを失ったアポロンの八つ当たりを食らい虐殺されたという異説もあるらしい。



また、ホメーロスの叙事詩『オデュッセイア』の第九歌に登場するポリュペーモスを始めとするサイクロプス族は神ではなく、旅人を食らう粗暴な怪物として描かれている。

海の神ポセイドンと海の精霊ネレイスの間の子として生まれたポリュペーモスは、粗野で凶暴な性格で人を捕らえてこれを喰らい、サイクロプス族の棲む島に立ち寄ったオデュッセウスの乗る船を捕え、彼と12人の部下を食べようとした。

しかし、オデュッセイアの策略にはまり、船員たちを逃がしてしまったばかりか、たったひとつの眼まで潰されてしまう。



さて、フィギュアはハリーハウゼンが特殊効果を務めた映画“シンドバッド七回目の航海”に登場したサイクロプスのうち、ドラゴンと戦った二本角バージョン。

映画ではアラビアンナイトの“船乗りシンドバット”に登場する人喰い巨人の説話と習合した形で描かれている。

単眼だけでなく、角、三本指、蹄のある下半身という特徴的な容姿があまりにもインパクトが強かったせいか、これ以降、人々の思い描くサイクロプスの定番イメージとなってしまったようだ。



プロポーション及び造形は良好。
カラーリングも問題なし。
可動は首、顎、両肩、両肘、腰、両股関節、両足首と意外に多いが、顎以外スゥイブルのみ。



アクセサリーとして通常版の一本角の頭部と棍棒が付属。
棍棒は小道具（大道具？）として登場するものの、映画では実際にサイクロプスが使用するシーンはない。



３．７５インチのフィギュアと絡ませるとちょうどいいくらいの大きさ。
映画では槍を投げた人間と投げた槍が刺さるサイクロップスが同じフレームに自然に収まっているが、あれ、どうやって撮影したんだろ？



ちなみに、実はこの二本角で、棍棒つきのバージョンは米タワレコ限定ということもあって、日本であまりお目にかからないシロモノ。

管理人はいつものように海外オクを通じて開封品を入手したため、外箱はない。

非常によくデキたフィギュアではあるのだが、なにぶん、劇中のとおりの特異なプロポーションであるため、自立ができないのが欠点か。

余談だが、ハリーハウゼン氏は一目で着ぐるみではないとわかるように、敢えて人間離れしたデザインに拘ったしたらしい。