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或いはヨメさんとの不毛な戦いの記録
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ピッチブラック

宇宙一の凶悪犯罪者であるリディックのデビュー作となった『ピッチブラック』。
何億と投じて製作された超大作『リディック』(原題:THE CHRONICLES OF RIDDICK)は大コケだったが、リディックをプレイヤーキャラクターに据えたPCゲームをプレイしたことを契機に、リディックというキャラクターそのもに興味を覚えたため、以前から是非見たいと思っていた作品だった。

ストーリーは賞金稼ぎに拿捕されたリディックが民間の貨客船で宇宙空間を輸送されるところから始まる。貨客船は不慮の事故により三つの太陽から一日中光が振りそそぐ、不毛な惑星に不時着し、女性操縦士、賞金稼ぎ、リディックを含め、数人の乗客が生き残る。
しかし、惑星の地下にはおびただしい数の肉食エイリアンが存在しているのだった。
水を求めてたどり着いた無人の地質調査隊の基地でエイリアンの存在を知った一行は、更に22年に一度の日食の際に、光を嫌って地下に住まう肉食エイリアン達が地上に姿を現すこと、そして間の悪いことに次の日食がすぐ間近に迫っていることに気がつく。
一向は生命の危険を賭して、壊れた貨客船から動力源を運び出し、地質調査隊の残した脱出船で惑星から逃れ出ようとする。
しかし、貨客船にたどり着いた時点で日食が始まり、ひとりまたひとりと肉食エイリアンの犠牲となってゆくのだった。
極限状態の中でそれぞれの思惑が錯綜し、物語は思わぬ展開を見せる。

ストーリーは別に目新しいものでもないが、何をおいてもリディック役のヴァン・ディーゼルがカッコいい。
宇宙船や大群で押し寄せる肉食エイリアンのデザインもなかなか秀逸で、B級SF的なテイストにあふれており、それでもチープでない点で高く評価したい。ここらへんの匙加減はなかなか難しく、あまり凝っていても、逆にいい加減でも映画の雰囲気そのものをぶち壊しかねない。
なんにしても、このリディックの宇宙一の凶悪犯罪者の肩書きに反して悪いんだか優しいんだか煮え切らないところが、見ていて非常に微笑ましい。『リディック』に続く伏線も多いので、このヴィン・ディーゼル演じるリディックというキャラクターに興味を覚えた方にはオススメしたい作品。

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