20.02.12 SAFARI : MYTHICAL REALMS / MANTICORE

ディズニーデラックス公式サイトによる動画配信で初のＳＷ実写ドラマ「マンダロリアン」を視聴。
製作総指揮・脚本は“アイアンマン”のジョン・ファヴローとくれば面白くないはずもなく、各話に思わずオールドファンをニヤリとさせる見せ場があり、特に第１話のⅠＧユニットの無双ぶりときたらバウンティハンター大好きの管理人も手を叩いて狂喜乱舞。また、明らかに往年の西部劇を意識しているであろう演出もなかなか味わい深いものがある。

そんなワケで前フリとは全く関係なく、本日は米サファリ社のマイシカル・レアルムズ・シリーズから、マンティコアをご紹介。

▲　届いた状態

マンティコアはインドやマレーシア、インドネシアの森林に住むと信じられていた空想上の生物である。
大きさはライオンくらいで顔と耳の形は人間の老人に似ているが、上顎と下顎のそれぞれサメのように三列に並んだ鋭い牙がある。
体の色は赤く、尾はサソリに似た形状の毒針があるか、毒が無い代わりに矢のように飛び散る24本の棘があるとされている。走るのが非常に速く、人間を好んで食る。骨まで残さないため、人が消えるとマンティコアのせいだとされた。


▲　インナーパッケージ

マンティコア（Manticore）は英語読みで、ギリシャ語ではマンティコーラース (Μαντιχώρας) という。これは、ペルシア語で「人を食らう物」を意味するmartiya khwarの由来するらしい。


▲　タグのついた状態

紀元前4世紀のギリシアの医師であるクテシアスの著書「インディカ（インド）」を通じてヨーロッパに伝わったのが最初であり、断片的に他の作家によって引用される形で広まった。



同じくギリシャの地理学者パウサニアスは著書のひとつの中で「マンティコアは現地の人間が虎を恐れるあまり、それが誇張して伝わったものではないか」と懐疑的な意見を述べたが、やはりギリシャの超有名な哲学者アリストテレスが自ら著した「自然学」の中にマンティコアを含めてしまったため、多くの人々はマンティコアが本当に実在する生物であると信じていたらしい。



さて、フィギュアに関しては御覧の通り非常によくできている。

実は以前目にした販促画像がちょっとアレな感じだったのでずっと購入を見送っていたのだが、とある機会に別角度から撮影した画像をひと目見て気に入り、散々探した挙句、ちょうど日本では品切れ状態だったため、仕方なく米アマゾンを通じて入手。（現在は日本のアマゾンでも入手可能）



プロポーション及び造形は良好。
顔は人間のそれではなく、ライオンのもの。
口は閉じられているので特徴的な三列に並んだ牙が見えないのが残念。



尾もオーソドックスなサソリのスタイルを採用している。



カラーリング及びペイントも良好。



この手のフィギュアでは当然なのだが、可動は一切なし。



アクセサリーの類も付属していないが特に問題はない。



どうでもいいけど、サソリの尾だと正面の敵を攻撃する際に届かないような気がするのだが、やっぱり止めを刺すときに使うのだろうか？



ちなみに４インチのフィギュアと並べてこれくらいの大きさ。



やや小さい気もするが、実際のライオンもこんなものらしいのでほぼ同スケール。

ところで、マンティコアといえばコウモリのような翼が生えているイメージが一般的なのだが、伝承では翼についてはひと言も触れられていないし、中世に描かれた絵などを見ても翼があるものはひとつも見当たらない。
それでは、いつからマンティコアに翼があるということなったのかと気になって色々と調べてみた結果、



１３５０年頃のオランダでトーマス・ヴァン・カンタンプレによって編集された百科事典 「 自然の生き物 」に掲載されたマンティコアの挿絵を見ると、絵の稚拙さのせいもあってか、背景の木がまるで翼に見えなくもないことに気が付いた。

今では常識となっている天使の羽も、実は後光を誤って翼として解釈してしまったものらしいので、もしかしたらマンティコアの場合もそうなのかしらん、等と推測してみたり。

まぁ、後は同じ人面獅子の怪物であるスフィンクスに翼があるので、混同したということも無きにしも非ず、かも知れないが。