16.10.14 GENTLE GIANT CREATURES OF RAY HARRYHAUSEN / CLASH OF THE TITANS : KRAKEN

遂に買っちまった。

_(:3 」∠)_

…そんなワケで本日は、米ジェントルジャイアント社のクリーチャー・オブ・レイ・ハリーハウゼンシリーズ、“タイタンの戦い”からクラーケンをご紹介。



クラーケンとは、中世から近世にかけてノルウェー近海やアイスランド沖に出現したとされている北欧伝承の海の怪物であり、通常その姿は巨大なタコやイカのような頭足類で描かれることが多い。


▲　クラーケン



ハリーハウゼンがダイナメーションを務めた最後の映画である「タイタンの戦い」は、ギリシア神話のペルセスウの物語をベースにしているが、映画では物語のクライマックス、エチオピアの王女アンドロメダを襲う怪物の役が、なぜか本来のケートス（化けクジラ）からクラーケンへと変更されている。



あまり聞かない名前ではあるが、ケートスとはトレミーの48星座のひとつの“くじら座”のことである。
ギリシア語でクジラ類やアザラシなどの「海獣」を意味し、ギリシア神話においてはしばしば海の怪物として登場する。
同じ海の怪物とはいっても、クラーケンとケートスでは全くの別物。


▲　ケートス



ケートスの姿は犬に似た頭部、大きく膨れた胴体、下半身は魚で、尾鰭はクジラやイルカのように扇形で二つに割れている。
その出自についてはゼウスないしポセイドンによって作られたとか、テューポーンとエキドナの間に生まれたとか、伝承によってまちまちとなっている。



エチオピアの王妃カシオペアが自ら（或いは娘のアンドロメダ）の美貌を誇示し、「女神ヘラや海のニンフ達よりも美しい」と吹聴したことから神々の怒りを買い、エチオピア王国を滅ぼすためにポセイドンによって送り込まれたのがこのケートスである。



神託により神々の怒りを鎮めるための生け贄としてアンドロメダが海外の岩に鎖で縛り付けられたところへ、メドゥーサ退治帰りのペルセウスが偶然通りかかり、結婚を条件にケートスを退治したとされている。

女性の弱みに付け込むとは、英雄としてあるまじき行為なのだが、ギリシア神話ではよくあることらしい。
また、ペルセウスの鬼畜ぶりを示すエピソードは他にも多々あるのだが、長くなるのでここでは割愛する。

なお、アンドロメダには既に婚約者がおり、婚礼の席に殴り込んできたところをメドゥーサの首で一族郎党ごと全て石に変えられ返り討ちにあっている。合掌。



ペルセウスがケートスを退治した際に、ヘルメスから与えられた剣で倒したという説とメデューサの首を使って石に変えて倒したという説がある。

ちなみに石に変えられたとされるケートスの石像は、イスラム帝国侵攻時に破壊されるまで実際にエチオピアの海岸にあったそうだ。



さて、映画に登場するクラーケンはブルドックのような頬に爬虫類のような肌など、金星龍イーマを彷彿させるハリーハウゼンお馴染みの容貌に加え、魚のような尾鰭に吸盤のついた４本の腕があり、ケートスとクラーケンを掛け合わせたような独特のデザインとなっている。

映画では上半身しか出てこなかったので、（水中のシーンでは尾鰭だけ映ってたりもしたが）こうして全身を細部まで見ることができるという点でも非常に興味深い。



プロポーション及び造形は良好。
なんでも生前にハリーハウゼン御本人の協力を得て実際映画に使用した人形から型をとったとか。

カラーリング及びペイントも問題なし。

可動部は、首、各上腕部、各手首、腰、尾鰭３か所。いずれもスウィブルのみ。



３．７５インチと比べると大きさはこれくらい。
大きさは８～１０インチ相当で、思いのほか小さいが、絡ませるにはちょうどいいくらいか。

映画ではもっと巨大だったが、神話ではペルセウスの剣で倒されたという説があるくらいだから、実際、さほど大きくもなかったのだろうと思われる。

サム・ワーシントン主演のリメイク版では更に大きくなっていて、デザインも頭足類だけではなく、甲殻類も混じって、もう何がなんだか。
もう、イエーガーと戦っててもおかしくないレベル。



ちなみにこのフィギュア、非常に安定が悪く自立はほぼ不可能に近いので、撮影に際しては腹の下にフィギュアスタンドを咬ませて安定させている。

念のために書いておくが、カリボスとメドゥーサは購入していないので期待しないように。