或いはヨメさんとの不毛な戦いの記録
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ハンニバル・ライジング 下巻 (2)
『ハンニバル・ライジング』トマス・ハリス著、高見浩訳、新潮社。
トマス・ハリスが生んだハンニバル・レクターと言えば、現代文学が生んだ架空の登場人物の中で最も名の知れた者のひとりだろう。
“ハンニバル・カニバル(人食いハンニバル)”の通称で呼ばれる通り、殺した人間の肉の一部を調理して食べる高尚な趣味を持っている。(食癖などと下卑た言葉を使う輩に災いあれ!)
「レッド・ドラゴン」「羊たちの沈黙」「ハンニバル」の3作をもってハンニバル3部作と呼ばれるが、前2作がFBI捜査官を主役にした連続猟奇殺人犯のプロファイリングをメインにした小説であるのに対し、3作目「ハンニバル」では、それまで主人公を(比喩的に)食った魅力的な脇役として登場していた彼を初めて主役に据え、その洗練された人となりを描くことで、謎に包まれたハンニバルという人物の一部を垣間見せた。
そして最新作『ハンニバル・ライジング』では、若き日のハンニバル・レクターを描くことで、彼がいかにして生まれ、育ち、幼年期から青年期にかけてどのような境遇にあったのか、そしてなぜあのような稀代の怪物が誕生したのか小説のファンであれば誰しもが知りたくなる“謎”が(ある程度)明らかにしている。いわゆるオリジンというヤツなのだが、まるで、スター・ウォーズ新3部作におけるダース・ヴェイダーのような扱いである。
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