16.08.21 BOSS FIGHT STUDIO VITRUVIAN H.A.C.K.S. / GREEK MYTHOLOGY : NJCC EXCLUSIVE ULTIMATE SPARTAN

そんなワケで本日は、米ボスファイトスタジオ社のVITRUVIAN H.A.C.K.S. 、ギリシャ神話シリーズから、NJCC限定版、アルティメット・スパルタンをご紹介。

このメーカーさん、限定版のパッケージは全て箱入り。



中はこんな。素体自体は血痕のウェザリングつきである以外はほぼレオニダスと同じなので、一見するとなんちゃない気もするが、



このセットのウリはなんといっても、豊富なアクセサリー。
広げてみるとセット内容はまるでひとり軍隊もしくはちょっとした武器庫といったものものしさ。

兜４種、槍、シールド２種、剣４種、手斧２本、短剣と鞘、可動方向の異なる替えの手首（左右）、メーカーのロゴ入りスタンドが付属。まさに“究極の”スパルタ兵。



史実によるとギリシャの重装歩兵は頭に青銅製の兜（kranos）を被り、胴には筋肉を象った鐘型の青銅製胴鎧（thorax）を着用し、腰周りは動きやすいように二枚重ねになった幅広の房ひれで守られていた。
また、膝から脚首にかけては脛当て(knemides)を装備し、それらの防具が覆えない部分は大きいな丸盾(aspisまたはhoplon)で補っていた。
これに加えて槍や剣等の武器を含めると総重量は31Kg以上となり、まさに“重装備”。



丸盾（ホプロン）は木製の芯を青銅で覆い、内側に革を張ったもので、大きく重い為に走る際には著しく邪魔になったが、敗走の際に盾を捨てる行為は甚だしく不名誉なこととされた。
このホプロンと呼ばれる盾を持って戦ったことから、古代ギリシアの重装歩兵はホプリテス（複数形でホプリタイ）と呼ばれていた。




兜（ヘルメット）はコリント式と呼ばれる様式。
旧式は頭全体をすっぽりと覆ってしまうため、被ると音がほとんど聞こえなくなる欠点があったが、後に耳の部分を空けるなどして改良が加えられた。




こちらは改良型。クレストと呼ばれる馬の毛で作った兜飾りのついているタイプ。




同じく改良型。先のものより顔の露出部分が狭いタイプ。
レオニダスに付属していたものと同じ形状だがクレストの色が異なる。




クレストが鶏冠のように縦にではなく孔雀の羽のように横に広がったタイプ。
アテネ兵のセットに含まれていたものと同じだが、やはりカラーリングが異なる。



戦斧。両刃斧はペレキス(pelekys)、片刃のものはヘミペレッコン（hemi-pelekkon）、画像のように片手で扱う手斧はアクシネ(axine)と呼んだらしい。



クシポス（xiphos）は東地中海地方固有の鋭利な両刃の直刀で、束と剣身は一体成型。
刀身は木の葉のように中央部でふくらみ、根本では細くなっている。
長さは約35～60cm。重さは0.7～1.2kg。 小型のクシポスはクシディオン（xiphidion）。
刀剣類は、本来は切るためではなく、殴ったり突いたりするための武器であった。



マカイラ（machaira）も束と剣身とが一体に作られた剣であるが、こちらは片刃で刀身が軽く彎曲しているのが特徴。
切ることを目的とした戦刀で、片手でも両手でも用いることができ、スパルタ兵が好んで使用したらしい。



マカイラの長さは約50～60cm。重さはだいたい1.1～1.2kg。
歩兵、騎兵を問わず広く用いられたようで、片刃剣といえば通常このマカイラを指す。



槍はエンコス(enchos)と呼ばれ、柄(dory)と穂先(aichme)とから成る。元々doryは木材を意味したが、槍そのものも示すようになったらしい。



ファランクス（密集隊形）で使用する槍の長さはさほどでもなく、約1.2～2.0m（重さ0.8～2.0kg）ぐらいであったが、



２輪戦馬車（チャリオット）や飛び道具によって戦列を乱す戦術が生まれたことにより、これに対抗する手段として、長くした武器で敵を威嚇し攻撃するようになり、槍も2～3mぐらい（重さ1.5～3.5kg）となった。



武器は骸骨に持たせることもできる。
骸骨についていた用途不明の透明パーツは、どうやら盾や脛当を固定するためのものらしい。
剣と盾を持たせれば、ハリーハウゼンの映画に出てきたドラゴントゥースウォリアーらしくなる。



長々と書いた割にはあまりフィギュアの解説になってないのがミソ。